私たちが動きを起こすとき、筋肉の活動が必要ですが、その指令を起こすのが神経系です。脳や脊髄、末梢神経が外部の刺激に合わせて指示を出すことで適切な筋力が発揮されます。筋力と筋持久力は身体を動かす上で重要ですが、それだけではスムーズで巧みな動きは出来ません。それぞれの筋への指令を必要な出力発揮でタイミング良く行われなければなりません。そこで必要なのがバランスと協調性です。

バランスは外部の刺激や環境に対して、体をコントロールする能力です。歩くときや走るときなど動作を起こすあらゆる場面でバランス能力が必要になりますが、通常は意識せずに行われています。しかし、不整地の上を歩いたり、片脚で靴下を履くときなどにバランスを意識します。バランス能力が低いと転倒したり、不必要なストレスが関節や筋肉に掛かり、ケガや痛みに繋がります。

協調性とはある動作を起こすときに必要な筋肉がタイミング良く、適切な出力で活動する能力です。例えば、歩くときには、股関節と膝関節、足関節がタイミング良く伸びることで地面を押して体を前に進めます。その時、大殿筋、中殿筋、小殿筋、内転筋、ハムストリング、大腿四頭筋など多くの筋活動が関与しますが、バラバラなタイミングで活動してしまうと歩けません。また、関節や筋肉にも負担が掛かるためケガや痛みにも繋がります。

効率の良い、スムーズで巧みな動きをするためにはバランスと協調性が必要です。スポーツだけでなく、日常生活のあらゆる場面でバランス能力と協調性を発揮しています。バランス能力と協調性を高めることは、スポーツパフォーマンスを向上させること、腰痛や膝痛、肩こりなどの改善と予防、代謝の向上による太りにくい体作りなど、様々な効果が期待できます。